コンプライアンスとは法令遵守と訳される。コンプライアンスの基本は自らの義務を果たし、他者の権利を侵害してはならないということである。
使用説明を制作するにあたり、なぜこの項目や文章を決まりきったように掲載しなければならないのだろうか―と思ったことはないだろうか。本セッションではテクニカルコミュニケーターとして知っておくべき法律や制度を改めて学ぶ。そして法律・制度を守ることがユーザーの利益を守り、同時に企業の利益を守ることになることを多くの事例を通して理解する。
◆取り上げる法律・制度
・ユーザーを守るための法律として
製造物責任法(PL法)、消費生活用製品安全法
・企業を守るための法律として
知的財産権の全般、著作権法、商標法、意匠法、不正競争防止法
・このほかに
情報セキュリティー、環境関連の法律・制度、言語法など
さらに、法律で規制されているわけではないが、ユーザーが自主的・合理的に製品選択ができる情報を提供するべきだという観点から公正競争規約、表記上の留意点について説明する。
◆セッションの目標
・使用説明制作に関連する各種法律や制度の背景と内容を理解し、必要に応じて他者に説明できるようになる。
・一見「いつも同じ」事項のチェック作業などへのモチベーションを形成し、記載ミスを回避する。
・日本および世界の社会的状況に目を向ける習慣をつけ、制作業務の視野を広げる。 |