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TCシンポジウム2009 プログラム詳細

パネルディスカッション(東京)

タイトル

パ01 紙/組み込み/Webのトータル情報提供を通じて商品価値を高めるTCを探る
~製品ライフサイクルを通じて良いユーザー経験価値を実現するには~
パ02 普及期を迎えた XML 技術にどう向き合い、どう使いこなすべきかを考える
~わかりやすさの徹底追求とコンテンツの価値向上を目指そう!~
パ03 世界で通用する英文マニュアルにするために
~ガイドラインを活用して、英文マニュアルを改善 する~
パ04 社内のノウハウを見える化!
~本当に使える業務マニュアルはTC技術が隠し味~
パ05 欧州のTC教育ガイドラインから考える、日本におけるTC教育プログラムの展開と可能性
パ06 ポストDTP─XML技術をフル活用して制作工程の効率アップを!
~コンシューマー向け取説制作:効率化とわかりやすさの両立を前提に~
パ07 Microsoft OfficeとXML技術の活用効果を探る
~企業内マニュアルのわかりやすさと制作効率の向上を目指して~
パ08 「基本能力」選抜から育成への転換~実務能力の獲得に必要な力の育て方~
パ09 情報アーキテクチャとテクニカルコミュニケーション
~DITA:部品化される取扱情報とテクニカルコミュニケーターの今後~
パ10 「よかった」を引き出すTORI-SETSUとは

詳細

パ01 紙/組み込み/Webのトータル情報提供を通じて商品価値を高めるTCを探る
~製品ライフサイクルを通じて良いユーザー経験価値を実現するには~
内容

紙/組み込み/Webをシームレスかつトータルに使って顧客に製品情報を提供しようとする考えが最近重視されるようになってきている。この取り組みを考えるときのキーワードはユーザーエクスペリエンスと経験価値という概念である。去年のセッションではUIデザイナー、Webコンサルタント等をお呼びして、ユーザーエクスペリエンスの概念とCSとの関連についての議論を試みた。今年は議論をさらに進め、すでにトータル情報提供を実践している事例の紹介を元に、ユーザーエクスペリエンスと経験価値をより充実することに役立つと思われるTC技術について議論してみたい。

近年、様々な製品(サービス)で顧客に向けてのWebを活用した情報提供が当たり前のことになっている。例えば、製品紹介Webページでの開発者の声や有識者のコメントの紹介、製品の新技術の紹介、カメラメーカーのWebページでは、写真の撮り方を伝えながら製品の機能を紹介するといったようなことが多く行われている。製品側では操作ガイダンス機能をあらかじめ操作画面に組み込んだ物も出てきている。そのため、取扱情報の利用シーンも紙だけの状況から変化してきている。そのような手法を紹介しながら、その特徴や効果を分析し、それを実現するために必要なスキル、アプローチ、組織などを考え、そこにTC技術者がいかに関わるかを探る。顧客が製品やサービスに関わるライフサイクルを通じての「より良いユーザー体験・より深い経験価値創造」の実現についてパネルディスカッションを進める。顧客が製品と向き合う時間軸の中でどんな情報提供が必要か、また可能かを検証し、製品の価値を向上させる情報提供とは何かを議論することで、情報提供の現場から見た価値のあるTC技術とは何かを考えたい。

■セッションのポイント
①ユーザーエクスペリエンスの動向と最新事情
②日本国内のWebによるユーザーサポートとその動向
③経験価値マーケティングとユーザーエクスペリエンス
④今後の取扱説明による良いユーザー体験のありかた

キーワード 組み込み、ユーザーエクスペリエンス、経験価値マーケティング
コーディネーター 吉川明 (株)日立テクニカルコミュニケーションズ
パネリスト 岡本慶一 東京富士大学
林信行 ITジャーナリスト
三井英樹 (株)ビジネスアーキテクツ
企画担当者 三好貴雅/久保一之 ソニー(株)
園田治 (株)情報システムエンジニアリング
吉川明 (株)日立テクニカルコミュニケーションズ
※RIAコンソーシアム企画協力
対象者 ディレクター
テクニカルライター
デザイナー
UI設計者
マニュアル企画者

パ02 普及期を迎えたXML技術にどう向き合い、どう使いこなすべきかを考える
~わかりやすさの徹底追求とコンテンツの価値向上を目指そう!~
内容

一時期TCシンポジウムでも盛んに話題になったXML(eXtensibleMarkupLanguage)。しかし、今現在においても「XMLとは?」「何ができるのか?」「どんなメリットがあるのか」という問いかけに、どれだけのテクニカルコミュニケーターが答えられるだろうか。そしてTCの世界ではXMLはどのように活用されているのだろうか。

テクニカルコミュニケーターがXMLタグを意識しなくとも、執筆ツールや組版ツールにはXML技術が組み込まれて、多彩な機能が実現できるようになっている。また、Wikiやブログなど、誰もが「書き」「公開」できる時代となり、UCC(ユーザー・クリエイティング・コンテンツ)導入の要求も高くなっている。これらの背景にもXML技術が存在している。これからは、テクニカルコミュニケーターも「XML技術に正面から取り組み」、これに振り回されることなく「使いこなす」ことが求められる時代になることは間違いない。

今年のTCシンポジウムでは、「XML」を複数のセッションで取り上げる。イントロダクションとなる本パネルディスカッションに続いて、「Adobe系ツールを前提としたXML活用」「Microsoft系ツールを前提としたXML活用」「近年海外で大きな注目を集め、2009年には日本でも話題になり始めているDITA」と、対象別に深掘りするパネルディスカッションを用意。関連する特別セッションも含め、このテーマに集中して取り組む。

本パネルディスカッションでは、XMLに関連するセッションNo.5~7のパネリスト、コーディネーターを迎えて、XMLに関する最新動向、XML技術とこれに対応するツールの現状をTCの観点から整理する。また、ディスカッションを通して、今後のテクニカルコミュニケーション技術の進むべき方向性、テクニカルコミュニケーターが身につけるべきXML技術はどのようなものなのかを考える。

1)XML技術が普及していく状況を、テクニカルコミュニケーターはどう捉えればよいのか。
・ワンソースマルチユースなどさまざまなXMLのメリットが語られてきたが、実際、TCの分野では、どのように活用され、成果が出ているのか。
・導入にあたってどのようなツールが使われ、ワークフローに変化を与えてきたのか。

2)企業はどのように製品情報や情報資産を効率的に活用していけばよいのか。
・注目すべき技術は何か。
・XML技術によって製品情報を効率的に活用するために、整えなければいけない環境は何か。

3)テクニカルコミュニケーターはどのように変化していかなければいけないのか。
・コンテンツの価値向上のために、テクニカルコミュニケーターは、何を知っておかなければいけないのか。
・わかりやすい文書の実現ために、テクニカルコミュニケーターは、何に留意して執筆しなければいけないのか。
・Webベースのコンテンツ制作や情報提供手段を用いる上で、テクニカルコミュニケーターは、TCの技術・知識をどのように活用していけばよいのか。
・部品化というコンセプトに、テクニカルコミュニケーターはどう対応するべきなのか。

■セッションのポイント
・あらためて「XML」とは?
・XML技術の活用の実際
・ツールの導入とワークフローの変化
・XML技術がテクニカルコミュニケーターに与えた影響
・XML技術を前提とする環境における「わかりやすさ」とは?「コンテンツの価値」とは?
・XML時代のテクニカルコミュニケーター育成とは?

キーワード XML、人材育成
コーディネーター 雨宮拓 TC協会
パネリスト 黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
高橋慈子 (株)ハーティネス
徳田直樹 (株)パセイジ
企画担当者 吉川明 (株)日立テクニカルコミュニケーションズ
橋爪佐代子 (株)富士通ラーニングメディア
対象者 制作会社責任者
担当者(ライター、オペレーター)
メーカー責任者
発注担当者

パ03 世界で通用する英文マニュアルにするために
~ガイドラインを活用して、英文マニュアルを改善する~
内容

英文ライティングの具体的な改善手法について討議する。今回は、英語ネイティブ(NES)とドイツ(非英語ネイティブ:NNS)のパネリストを招き、英文改善に関するトピックを幅広い視点で検証し、検討していく。

グローバリゼーションを目指す商品の英文マニュアルを世界で通用するものにするためには、①英語ネイティブ以外の読者にもわかりやすく、②他言語展開時に翻訳者による誤訳を防止できるような国際共通語としての英文を考える必要がある(NESによるチェックは当然必要である)。

英文マニュアルを国際共通語として、わかりやすくするために、これまでテクニカルライティングの手法が取り入れられてきた。しかし、英文マニュアルのわかりやすさを追究するためには、本当にテクニルライティングだけでよいのか。英文テクニカルライティングは、基本的に英語ネイティブにとって論理的でわかりやすい英文ドキュメントを提供するために開発されてきたものである。もちろん、(英語が第2外国語の)非英語ネイティブにとってもわかりやすさを提供してくれるが、非英語ネイティブにとっては完全なものではない。この差をどのように補完するのか。補完するようなガイドラインなどで明快なものはないか。

そのガイドラインの1つであるGlobalEnglishStyleGuideを、ここで簡単に紹介する。そして、国際共通語=グローバルイングリッシュをどのようにして実現するのかという課題を検討し、実現のための支援ツールにも言及する。

■セッションのポイント
・NNSが制作する英文マニュアルの問題点
-日本とドイツに共通したこと/固有なこと
・改善するためのツールにはなにがあるか
・GlobalEnglishStyleGuide(ガイドライン)
・国際共通語としての英語(世界で通用する英語)とは
・テクニカルライティングとグローバルイングリッシュの違い
・グローバルイングリッシュとシンプリファイドイングリッシュの違い
・ライティング支援ツール
・NESチェッカーを選ぶときの基準

キーワード テクニカルライティング、グローバルイングリッシュ
コーディネーター 三好貴雅 ソニー(株)
パネリスト ケビン・モリセイ (株)日立製作所
Dr.Bredenkamp(ドクター・ブレーデンカンプ)/Dr.Siegel(ドクター・シーゲル) acrolinxGmbH
中村哲三 YAMAGATAINTECH(株)
企画担当者 中村哲三 YAMAGATAINTECH(株)
三好貴雅 ソニー(株)
対象者 英文ライター/エディター
制作担当者
メーカー責任者/担当者
制作会社責任者/担当者

パ04 社内のノウハウを見える化!
~本当に使える業務マニュアルはTC技術が隠し味~
内容

業務の進め方をベテラン社員に依存してないだろうか? 社員によって作業プロセスが違っていたり、アウトプットにバラツキがあったりしないだろうか?

業務を標準化・効率化したい! ベテラン社員のノウハウをメンバーに展開したい! そのような願いを実現する効果的なツールに業務マニュアルがある。業務マニュアル導入効果を整理すると次のようになる。

・担当者のノウハウを「見える化」し、会社に帰属させる
・作業プロセスを標準化し、誰もが安定した品質、スピード、コストを実現できる
・引継ぎ時に指針となるプロセスを提示でき、引継ぎコストを低減できる
・作業プロセスを「見える化」することで、業務改善を容易にする

業務マニュアル制作のプロセスは至ってシンプルだ。
1. 現状を正しく把握する
2. 整理して「見える化」する
3. あるべき姿とのギャップがあれば、最適プロセスを検討する
4. 業務マニュアルに落とし込む
5. 実作業を通して見直しする

しかし、いざ業務マニュアル作成に着手すると、たちまち様々な難関に直面することになろう。担当者からうまく情報を引き出せなかったり、ノウハウの開示について抵抗があったり、業務が複雑すぎるだけでなく複数のやり方が存在していたり…。担当者が説明上手であればまだよいが、そういうケースは多くない。このように、現状を把握するだけでも、かなりの労力が必要となる。出てきた情報を整理するのも大変な作業である。
それでも、なんとか完成させた業務マニュアル。果たして、誰にも活用されず運用には至らなかった…。「もうこりごりだ!」、このような嘆きの声がしばしば聞こえてくる。
そこで、テクニカルコミュニケーターの登場である。
テクニカルコミュニケーターとのコラボレーションは、「使える」業務マニュアルを手に入れる効果的で現実的な手段と言える。テクニカルコミュニケーターは、情報を整理し、わかりやすく表現(見える化)するスペシャリストだ。
これまで隠れていた熟練者のノウハウが、みるみる引き出され、整理されていくシーンをイメージしていただきたい。そして、誰が見てもわかりやすく表現された「使える」業務マニュアルを。このセッションでは、「使える」業務マニュアルを作成する、という困難な作業を、業務担当者とテクニカルコミュニケーターが協力することで成し遂げ、業務改善と標準化を実現する方法について論議していく。

■セッションのポイント
・業務マニュアルと現状の課題を確認する
・TC技術とのコラボレーションで期待できる効果は何か?
・実際の進め方と注意点を知る

キーワード 業務マニュアル、業務改善、効率化、標準化
コーディネーター 山口純治 スバル・インテリジェント・サービス(株)
パネリスト 新留正剛 (株)シーブレイン
濱田美千代 (株)富士通ラーニングメディア
宮川卓 (株)テックコミュニケーションズ
企画担当者 山口純治 スバル・インテリジェント・サービス(株)
徳武修 (株)石田大成社
下佛伸一 アベイズム(株)
対象者 業務マニュアルに関心のある企業、業務マニュアルで苦労している企業
TC技術の応用・発展に関心のある企業

パ05 欧州のTC教育ガイドラインから考える、日本におけるTC教育プログラムの展開と可能性
内容

TCeuropeは、欧州におけるTCの包括的組織である。2003年には、ドイツ、オーストリア、フィンランド、フランス、イタリア、スイスなど9カ国、25機関から構成されるTecDoc-Netと名付けられたネットワークを開始した。大規模かつ多様な活動を行う中、そのひとつとして、教育・訓練に関するワーキンググループが組織され、TC教育・訓練のためのガイドラインを作成した。また欧州では、TCに関する教育・訓練コースを展開している大学が複数あり、その内容は情報編集の基礎から始まり、ライティングの基本、表現方法、工程管理、印刷、XML 、多言語展開、オンラインドキュメントに至るまで、充実したものとなっている。

一方日本においても、今年度、これまでのTC技術検定が見直され、最新の取扱情報事情に対応した新しい枠組みで、検定試験が実施されることとなった。そこで本パネルでは、TCeuropeを代表する組織であるtekomからパネリストを迎え、欧州におけるテクニカルコミュニケーターの職業としての状況や教育事等について聞くとともに、2005年に発表されたテクニカルコミュニケーターの専門教育についてのガイドラインについても紹介する。

また、このガイドラインに記された「テクニカルコミュニケーターが備えるべきコンピタンス」の具体例を紹介し、コンピタンスの獲得を目的とするカリキュラムを構成する際のポイントや必要要件、講義内容について議論したい。さらにTC協会が考えるテクニカルコミュニケーター教育とも関連させ、日本におけるTC教育プログラムの展開と可能性を考えたい。

■セッションのポイント
・日本におけるTCの状況
・欧州におけるTCの状況と教育
・ドイツの大学で行われるカリキュラム
・テクニカルコミュニケーターが備えるべきコンピタンスとは
・TC協会が考えるTC教育
・日本におけるTC教育プログラムの展開と可能性

キーワード 人材育成、教育
コーディネーター 雨宮拓 TC協会
パネリスト 勝田豊彦 ハイテクノロジー・コミュニケーションズ(株)
HerbertHerzke(ヘルベルト・ハーツキ) Vice-President.tekom
MichaelFritz(ミハエル・フリッツ) ExecutiveDirector.tekom
三波千穂美 筑波大学
企画担当者 関和佳代 (株)パセイジ
三波千穂美 筑波大学
対象者 TC教育や人材育成に携わる人
関心がある人

パ06 ポストDTP─XML技術をフル活用して制作工程の効率アップを!
~コンシューマー向け取説制作:効率化とわかりやすさの両立を前提に~
内容

Adobe製品をはじめとするDTPのツールは、近年になって構造化・XML化の機能を内包するものが多くなってきた。InDesignもバージョンアップを重ねるとともに、構造化やXMLとの親和性も高くなっている。私たち制作者は、このようなツールの進展を存分に活用できているだろうか。ツールの機能向上を活かして、取説の品質を向上させると同時に制作効率もアップすることができているだろうか。どちらかが犠牲になってはいないだろうか。

このパネルディスカッションでは、デザイン性の向上やレイアウトの変化許容性が常に求められる取説(特にコンシューマ向け取説)を対象に、InDesignとXMLを連携させることで“制作効率”と“わかりやすさ”の向上を両立させる方法を、具体的事例を交えながら採りあげる。また、XMLと連携させることで生じる「レイアウトデザインの限界」の有無とその具体的内容にも触れ、効率向上との両立を前提とした、これからの取説の紙面デザインを考える。ポストDTPの模索が本格化している今日、制作工程の再検討が盛んになっている。その前提となるXML技術の導入にあたり、「効率化をするには大規模なシステムの導入が必要」「システム化の結果、コンテンツの自由度や変化に制約が生じるのはやむを得ない」と思っている方達に、「必ずしもそうではない」ということを事例を通じて示したい。総じて“机上の議論”にとどめることなく、様々なInDesign&XMLの連携事例を通じて、ポストDTP時代に向けたDTPツールの活用が進むべき方向性についてもディスカッションしていく。

●前提:InDesignとXMLの連携の基本(FrameMakerとSGML/validなXMLの連携との根本的違い)
●実例:目的に応じたInDesign&XML連携
「制作効率化」
「多言語展開」
「用語管理との連携」
「InDesignからのHTMLヘルプ制作」
「データベースとの連携」
●検討:
①各実例から見るInDesign&XML連携の効果
②各実例から見るInDesign&XML連携のポイント
③「印刷のみを目的とする場合=DTP」と「XML連携=ポストDTP」
コンテンツ制作ワークフローの同じところ、異なるところはなにか
④難しい話を抜きに語る「XML技術を使って効果を引き出すためのポイント」
●結論:ポストDTP時代に向けたDTPツール活用法

キーワード XML、制作ツール
コーディネーター 黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
パネリスト 石井満 (株)シーエフメディアジャパン
山崎久美子 (有)デジタル・ワークス
他1名(交渉中)
企画担当者 石井満 (株)シーエフメディアジャパン
黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
対象者 制作会社の責任者・担当者(ライター・デザイナー・オペレーター)
メーカーの責任者・発注担当者

パ07 Microsoft OfficeとXML技術の活用効果を探る
~企業内マニュアルのわかりやすさと制作効率の向上を目指して~
内容

オフィスの事務作業に広く浸透しているMicrosoftOfficeは、業務系・システム系ドキュメントへの適用を強く指向して、量とスピードへの対応を図り、進化を続けている。テクニカルコミュニケーションの現場でMicrosoftOffice(主としてWord)を活用する場面は少なくない。一方で、専門のライターやオペレーターではないビジネスパーソンがMicrosoftOfficeを使って、業務系・システム系ドキュメントを直接制作することも増えている。

Microsoft社は、Office2007からXMLで記述された"OfficeOpenXML"規格を採用している。この規格はISO標準規格にも採用されている。この技術がMicrosoftOfficeに組み込まれたことにより、「部品の再利用が可能になる」「データを抽出して、別の目的に利用する」など、新たなビジネスシーンでの活用が期待されている。
テクニカルコミュニケーターは、「わかりやすい」企業内マニュアルやドキュメントを作成するために、MicrosoftOfficeのどのような点に着目して、使いこなしていけばよいのだろうか。また、ビジネスシーンで、どのような活用を考えていけばよいのだろうか。

本セッションでは、MicrosoftOfficeのXML関連機能の特性を活かしたマニュアルやドキュメント制作の事例を取り上げ、どのような機能を活用して効率化が図れるのか、どのようなビジネスシーンでデータが活用できるのかを、具体的に紹介していきたい。XMLによる部品化・構造化など、テクニカルコミュニケーターとして知っておきたいポイントも押さえたい。
さらに、Microsoft社が提供するSharePointServerとの連携がもたらすプロジェクト管理やコンテンツマネージメントへの対応、グラフィックスデータの扱いなどMicrosoftOfficeを採用する場合の「具体的な活用効果」や「制作上の留意点」についても取り上げ、テクニカルコミュニケーターとMicrosoftOfficeとの関わり方、MicrosoftOfficeとXML技術を導入するに際して検討すべき事項を探る。

■セッションのポイント
・MicrosoftOffice製品の利用状況(TCシンポジウム2008調査から)
・MicrosoftOffice(主としてWord)を利用した制作ワークフローのあるべき姿
・業務マニュアル、サービスマニュアル、およびシステム系マニュアルの現状の問題と課題
・MicrosoftOffice2007以降の機能と特徴
・Wordによる文書構造化の基本
・OfficeOpenXMLが実現するWord文書の部品化管理
・プロジェクト管理やコンテンツマネージメントを担うSharePointServerとの連携
・MicrosoftOfficeを前提としたXML技術を導入する際のポイント
・企業内IT基盤との親和性がもたらす他部門との業務連携の可能性
・MicrosoftOfficeならではのメリットと制約

キーワード XML、部品化
コーディネーター 徳田直樹 (株)パセイジ
パネリスト 高橋陽一 インディゴ(株)
滝沢登 (株)富士通ラーニングメディア
若山陽介 (株)情報システムエンジニアリング
企画担当者 小林久美子 (株)ルネサスソリューションズ
黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
豊島崇泰 (株)富士通ラーニングメディア
マイクロソフト社技術協力
対象者 制作会社責任者
ディレクター
発注担当者

パ08 「基本能力」選抜から育成への転換~実務能力の獲得に必要な力の育て方~
内容

本パネルディスカッションでは昨年のパネルディスカッション『能力の獲得は、教育か、訓練か』の続編として、実務能力獲得の基盤となる基本能力の教育について「教える側の意識と教育プラン」を中心に議論したい。

テクニカルコミュニケーターの人材育成に関して、TC協会は長年にわたって調査研究を行っている。TC協会平成18年度調査研究報告書「ユーザビリティー専門家およびテクニカルコミュニケーターの企業内育成カリキュラムに関する調査・研究」で「基本能力」はすべて「選抜」とされており、「入社時に当該コンピタンスを持っている人材を採用するようにすべき」としている。
しかし昨今、現場で活躍している世代に比べ、若い世代にはテクニカルコミュニケーターとして成長するに必要な能力を備えている人材が少なくなったという声がしばしば聞かれる。実際大学関係者も、どうも昨今の学生はこれまでの学生とは違うと言わざるをえない、と言っている。
現在多くの制作現場ではOJTを中心に新人教育が行われているが、個人の基本能力によって教育の成果に大きな差が出るという悩みを常に抱えている。このような状況の中、新人研修において、たとえコンピタンスがないと判断されても、これらの能力を獲得させる教育を行わざるをえなくなってきたのではないか。

昨年のパネル『能力の獲得は、教育か、訓練か』では、現状の分析を行い、若い世代の基本能力の引き出し方について議論した。その中で「教える側の意識と教える材料の重要性」が課題として見えてきた。しかしながら、これまでTC教育について体系的に語られることがなかったため、教育プランの策定も重要な課題となっている。
そこで本パネルディスカッションでは、長年教育や人材育成、採用に携わってきた方々をパネリストに迎え、教える側の知識と心得、基本能力の教育手段、OJTとの連携などについて、多方面から議論したい。

■セッションのポイント
・若い世代に共通する傾向
・人材育成セミナーではどんなことを教えているのか
・教育プランの立て方
・教える側(トレーナー)の育て方
・コーチング

キーワード 人材育成、教育
コーディネーター 徳田直樹 (株)パセイジ
パネリスト 石原淳美 YAMAGATA INTECH(株)
越野洋一 (株)富士通ラーニングメディア)
三木ひろみ 筑波大学
企画担当者 関和佳代 (株)パセイジ
三波千穂美 筑波大学
対象者 教育や人材育成に携わる人
関心がある人

パ09 情報アーキテクチャとテクニカルコミュニケーション
~DITA:部品化される取扱情報とテクニカルコミュニケーターの今後~
内容

DITA(Darwin Information Typing Architecture)は、技術文書の作成、管理、配布を行うための、XMLに基づいた標準仕様だ。DITAでは、「トピック」という単位で文書情報を部品化し、「マップ」という構成情報を使ってコンテンツを組み立てる。情報を「トピック」と「マップ」に分離し、コンテキストへの依存が少ないトピックを書くことにより、文書情報の再利用が容易になる。たとえば、複数のマップを用意して、オンライン参照用のクイック・リファレンス・マニュアルと、印刷用のリファレンス・マニュアルを作成する、といったことが可能になる。

SGMLの時代から課題とされてきた文書情報の部品化。マニュアルの部品化は可能なのか。部品を標準化・共通化して、それを組み合わせることによって、本当に生産性は向上するのか。品質は向上するのか。DITAとこれまでの類似ソリューションの違いは何か。TC関係者のそんな疑問を背景として、このセッションが企画された。

前日のパネルディスカッション「普及期を迎えたXML技術にどう向き合い、どう使いこなすべきかを考える」から続く一連のXMLセッションの締めくくりとして、本セッションでは、まず、DITAに関する基礎知識、DITA技術の背景と動向、海外でのDITAの活用事例を紹介したい。そして、DITAとテクニカルコミュニケーターとの関わり方、テクニカルコミュニケーターが取り組むべき課題、今後、進むべき方向について考えたい。

なお、このセッションの実現にあたっては、DITAコンソーシアムジャパンの事務局長をつとめる株式会社ジャストシステムの加藤哲義氏に暖かいご支援をいただいた。

■セッションのポイント
・そもそも、DITAとは?「トピック」とは?「マップ」とは?
・DITAが適用できる分野はどこか?そのときのコンテンツの読者は誰か?
・導入にあたって、どのような思想や技術が必要なのか?
・どのような単位で「トピック」にすればよいのか?
・「マップ」によって、どのようにコンテンツの構成を考えればよいのか?
・どのようなツールで作成すればよいのか?
・コンテンツ制作の体制やワークフローは、どのように変わるのか?
・テクニカルコミュニケーターのライティング技法は変える必要があるのか?
・テクニカルコミュニケーターは、どのようなディレクションが必要になるのか?

キーワード XML、部品化
コーディネーター 黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
パネリスト 小林具典 アンテナハウス(株)
須藤史之 丸星(株)
平井直樹 DITAコンソーシアムジャパン
企画担当者 中澤明 PTCジャパン(株)
黒田聡 (株)情報システムエンジニアリング
橋爪佐代子 (株)富士通ラーニングメディア
対象者 制作会社責任者
ディレクター
発注担当者

パ10 「よかった」を引き出すTORI-SETSUとは
内容

取扱説明書のボリュームは削減傾向なのに、TORI-SETSUの活躍する領域は広がっている。実際に取扱説明の情報は長い期間付き合うことになる。製品を選ぶときに役に立つし、設置には必須だ。不要になったかと思えば、故障したりメンテナンスの必要があったりして、慌てて探すことになる。ユーザーが製品に接するあらゆる場面で「よかった!」と思ってもらえるような情報が取扱説明情報だ。だから、製品と一緒に山盛りの内容を一括して渡す取扱説明「書」では使い勝手が悪い。取扱説明情報は、必要なタイミングに、便利なメディアで、分かり易く表現される情報でなければならない。2007年のシンポジウムに倣ってそれをTORI-SETSUと呼んでみる。

このパネルディスカッションは、取扱説明書が引き出してきたユーザーの「よかった」と、これからTORI-SETSUが期待されている「よかった!」を検討するものである。次のような項目で検討していく。

・評価誌上に見られる取扱説明書の評価
・アンケートに見られる取扱説明書の評価(ドイツ)
・全国家庭電気製品公正取引協議会に入る製品・取扱説明書の評価
・評価の高い情報と低い情報
・必要な情報と不要な情報
・取扱説明情報として妥当なものと不当なもの
・デジタル製品に必要な情報とは
・利便性と安全性の境界
・魅力的であるとはどういうことか

石井満氏は、電器メーカーのヨーロッパ駐在を十年ほど勤められ、現在制作会社を立ち上げられている。取扱説明書のビジュアル化を進めている石井氏に、評価誌に見られる取扱説明書の評価と、ユーザーが求めている取扱説明書像を紹介いただく。

Tekomより参加のミハエル・フリッツ氏には、ドイツのDIN(ドイツ規格協会)が行った一般消費者のアンケート調査に見られる、取扱説明書についての問題点と要求事項を紹介いただく。また、その結果をふまえてユーザーの利便性と安全性の仕様に、どのように反映させていくのかを説明いただく。

池田氏には、ユーザーから届けられた取扱説明書に関する「声」をご紹介いただき、期待される取扱説明情報を一緒にお考えいただく。

キーワード 販売、販売促進、安全表記、ユーザー、ブランディング
コーディネーター 清水義孝 (株)クレステック
パネリスト 池田和夫 財団法人家電製品協会
石井満 (株)CFメディアジャパン
Dr.Michael・Fritz(ミハエル・フリッツ) tekom
企画担当者 石井満 (株)CFメディアジャパン
清水義孝 (株)クレステック
対象者 マニュアル企画担当者
テクニカルライター
ディレクター
デザイナー