一時期TCシンポジウムでも盛んに話題になったXML(eXtensibleMarkupLanguage)。しかし、今現在においても「XMLとは?」「何ができるのか?」「どんなメリットがあるのか」という問いかけに、どれだけのテクニカルコミュニケーターが答えられるだろうか。そしてTCの世界ではXMLはどのように活用されているのだろうか。
テクニカルコミュニケーターがXMLタグを意識しなくとも、執筆ツールや組版ツールにはXML技術が組み込まれて、多彩な機能が実現できるようになっている。また、Wikiやブログなど、誰もが「書き」「公開」できる時代となり、UCC(ユーザー・クリエイティング・コンテンツ)導入の要求も高くなっている。これらの背景にもXML技術が存在している。これからは、テクニカルコミュニケーターも「XML技術に正面から取り組み」、これに振り回されることなく「使いこなす」ことが求められる時代になることは間違いない。
今年のTCシンポジウムでは、「XML」を複数のセッションで取り上げる。イントロダクションとなる本パネルディスカッションに続いて、「Adobe系ツールを前提としたXML活用」「Microsoft系ツールを前提としたXML活用」「近年海外で大きな注目を集め、2009年には日本でも話題になり始めているDITA」と、対象別に深掘りするパネルディスカッションを用意。関連する特別セッションも含め、このテーマに集中して取り組む。
本パネルディスカッションでは、XMLに関連するセッションNo.5~7のパネリスト、コーディネーターを迎えて、XMLに関する最新動向、XML技術とこれに対応するツールの現状をTCの観点から整理する。また、ディスカッションを通して、今後のテクニカルコミュニケーション技術の進むべき方向性、テクニカルコミュニケーターが身につけるべきXML技術はどのようなものなのかを考える。
1)XML技術が普及していく状況を、テクニカルコミュニケーターはどう捉えればよいのか。
・ワンソースマルチユースなどさまざまなXMLのメリットが語られてきたが、実際、TCの分野では、どのように活用され、成果が出ているのか。
・導入にあたってどのようなツールが使われ、ワークフローに変化を与えてきたのか。
2)企業はどのように製品情報や情報資産を効率的に活用していけばよいのか。
・注目すべき技術は何か。
・XML技術によって製品情報を効率的に活用するために、整えなければいけない環境は何か。
3)テクニカルコミュニケーターはどのように変化していかなければいけないのか。
・コンテンツの価値向上のために、テクニカルコミュニケーターは、何を知っておかなければいけないのか。
・わかりやすい文書の実現ために、テクニカルコミュニケーターは、何に留意して執筆しなければいけないのか。
・Webベースのコンテンツ制作や情報提供手段を用いる上で、テクニカルコミュニケーターは、TCの技術・知識をどのように活用していけばよいのか。
・部品化というコンセプトに、テクニカルコミュニケーターはどう対応するべきなのか。
■セッションのポイント
・あらためて「XML」とは?
・XML技術の活用の実際
・ツールの導入とワークフローの変化
・XML技術がテクニカルコミュニケーターに与えた影響
・XML技術を前提とする環境における「わかりやすさ」とは?「コンテンツの価値」とは?
・XML時代のテクニカルコミュニケーター育成とは?
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