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TCシンポジウム2009 プログラム詳細

基調講演(ビデオ放映)

今回の基調講演者は、原 研哉(はら けんや)氏(グラフィックデザイナー。 日本デザインセンター代表。武蔵野美術大学教授)です。【東京開催】では、原氏急病のため、事前にアップルストアにおいて行われた、同一テーマでの講演をビデオ放映し、参加者の好評をいただきました。【京都開催】でも、同じビデオを放映します。

エンプティネス―日本のコミュニケーションの原像

講演概要

「阿吽の呼吸」とか「以心伝心」とか言う言葉があります。日本人はコミュニケーションにおいて、ことさらに言葉や記号を尽くさずとも共通意識に到達できる作法を進化させてきました。意味や感情を赤裸々にあらわすことなく、配慮と慎みを持って交わされるコミュニケーションは、美意識の資源として、すでに私たちの感受性の中にあるものです。しかしながら、一方でこうした伝達手法は、その曖昧や、不明確さを指摘され、分かりにくい「腹芸」であると言われることもあります。

ここでは、このような日本独自のコミュニケーションが、どのような成り行きで立ち上がってきたかを、ひもといてみます。「エンプティネス」すなわち「からっぽ」について述べることは、デザイナーとしての自分自身の美意識の中枢を覗き込むことにもなります。テクニカルイラストレーションは大変明快で分かりやすい表現方法ですが、時に、日本独特の無言のコミュニケーションを反芻してみてはいかがでしょうか。解説するのではなく、相手のイマジネーションを呼び込む。そんな技術について考えることで、おそらくは、テクニカル表現にも魅力的な奥行きが生まれることと期待します。

原 研哉(はら けんや)氏プロフィール

1958 年生まれ。グラフィックデザイナー。武蔵野美術大学教授。日本デザインセンター代表。アイデンティフィケーションやコミュニケーション、すなわち「もの」ではなく「こと」のデザインを専門としている。2002 年より無印良品のボードメンバーとなり、その広告キャンペーンで 2003 年東京 ADC 賞グランプリを受賞。近年の仕事は銀座 SWATCH ビルサイン計画、“KENZO POWER”ボトルデザイン、講談社ロゴタイプなど。長野オリンピックの開・閉会式プログラムや、2005 年愛知万博の公式ポスターを制作するなど国を代表する仕事も担当している。また、プロデュースした「RE DESIGN」「HAPTIC」「SENSEWARE」などの展覧会は、デザインを社会や人間の感覚との関係でとらえ直す試みとして注目されている。近著『デザインのデザイン /Designing Design(岩波書店)』はサントリー学芸賞を受賞、中国、韓国、台湾、英語に翻訳され世界に多数の読者を持つ。