学術研究会の開催によせて
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会では、テクニカルコミュニケーションに関する学術的研究を推進すべく、本年度よりテクニカルコミュニケーションシン・リデザイン学術研究会(略称:TC・リデザイン学術研究会)を開催することとしました。
かつて本協会の主たる対象は、一般製品(情報機器や家電など)や産業機器に付帯する冊子型での取扱説明書や マニュアルでした。しかし、情報機器の普及と情報技術のめざましい進展に伴い、これからの社会では、取扱説明や使用説明に関する情報は、紙印刷メディアによる文書(Documentation)型からWEBを基盤としたメディアに移行しつつあります。さらに、我が国における人口動態の推移を鑑みると、保健・健康(・医療)分野の機器と サービスに関する使用情報を、本協会が対象とする範囲に取り込んでいく必要があります。
こうした背景を踏まえ、これまで本協会とは接点が少なかった方々(例えば、心理学・認知科学領域、保健・健 康領域、情報科学領域などに関する研究者や教育者、学術団体、医療系技士会など)にご参加いただき、主に学術研究の発表を通して、様々な交流を図るべく本研究会を開催・運営していくことにいたしました。
「使用説明の品質向上が私たちの生活・仕事の質を高めてより幸せな社会の実現に貢献できる」という本協会の 理念をご理解いただき、ご参加のほどお願い申し上げます。
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昨年の様子 |
第2回学術研究会開催のご案内
第2回テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会発表を下記の日時でZoomにて開催します。
●日程
2020年10月8日(木) 午後2時半~午後5時半 (予定)
参加希望者は、事前にこちらからお申込みください。
TCシンポジウム2020 10月開催(On the Web 専用)申込
(注:本研究会はTCシンポジウムとは別イベントですが、申し込み自体は、TCシンポジウムの申し込み方法を流用しております)
なお、参加費用としてお1人1000円(税込み)をお支払いいただきます。申込み後、請求書を送付させていただきます。
*参加費は責任発表者、研究会に参加する連名発表者、一般参加者ともに同額1,000円(税込み)です。
●発表予定者(9月7日時点)
発表者 | 所属 | 論文タイトル | |
岸 学 | 東京学芸大学 次世代教育研究推進機構 | 全体図と部分図の理解に及ぼす学習スタイルの影響 | |
島田 英昭 | 信州大学 学術研究院教育学系 | TCにおける共感の効果を考える | |
すがや みつる | 京都精華大学 国際マンガ研究センター | マンガは、なぜ、わかりやすいのか ―実作者のメタ認知 によるマンガの構造分析 |
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辻 義人 | 公立はこだて未来大学 システム情報学部 メタ学習センター | 口頭説明のわかりやすさを規定する要因の検討 —受け手に対する意識に基づく口頭説明の違い— |
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中村 光伴 | 熊本学園大学 社会福祉学部 | 混成型テキストの読解について(2) ―ワーキングメモリ容量の少ない者の読解過程― |
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藤井 清孝 | 神戸市立西神戸医療
センター、 臨床工学室 | 輸液ポンプにおける事故/ヒヤリ・ハット防止に向けた取り組みの有効性に関する文献的検討 | |
吉川 典子 | NPO医工連携推進機構 医工連携コーディネータ協議会 | 人口減の時代に、医療と向き合う要点の調査研究2 〜薬機法改正に見る対応の考察〜 |
発表及び論文、募集要項のご案内
●発表
- 研究発表は、オンラインのライブ配信(Zoom使用)にて行います。連名で発表する場合、発表者のうちの1人を「責任発表者」とし、他の連名の方を「連名発表者」とします。
- 本研究会の会員登録は行いません。時限的ですが、発表者と連名発表者をもって、本年度の研究会における会員とします。
- 参加費は1人1,000円です。責任発表者、研究会に参加する連名発表者、一般参加者ともに同額です。参加費は、発表申込書にあるご住所へ請求書を送らさせていただきます。(後述、「発表申込」参照)
- 総発表件数は、30件までとさせていただきます。申込が総数に達した時点で、打ち切りとさせていただきます。
1)発表方法と発表論文集原稿
- ①発表言語(発表資料、発表論文)は日本語または英語とします。
- ②発表は、Zoomによる口頭発表及び質疑応答にて行います。
口頭説明の補助資料として、発表資料をご準備お願いします。
Power Point 推奨ですが、自由形式とします。
表紙または冒頭に、タイトルと氏名、発表タイトル、発表者名(連名者を含む)、
所属を記載お願いします。
(締め切り、提出先は後述参照) - ③発表資料は、本研究会の1週間前より研究会当日まで、特別サイトにて参加者のみに開示します。
- ④責任発表者は、本研究会当日、Zoomを通じて説明および質疑応答を行ってください。
- ⑤発表論文原稿は、本研究会主査及び倫理管理委員会により査読を行い、その後「発表論文集」
としてまとめ、本研究会当日までに、冊子にてお送りします。 - ⑥発表論文集原稿は、1発表につきA4サイズ2ページです。
別添資料を参考にテンプレートファイルを用いて作成し、8月31日(月)までに
提出してください。
2)発表要件
- ①本研究会で発表できる研究は、次の要件全てを満たしていることを条件とします。
・発表者が専攻する学術領域における基本的な研究報告の形式を満たしていること
・研究内容が、製品やサービスの使用説明の質的向上に関連したものであること
提出いただいた発表論文集原稿をもとに、本研究会の主査および倫理審査委員会が、発表要件
および研究倫理に関して確認します。
確認の結果によっては発表が認められない場合があります。 - ②1人の方が責任発表者として発表できる研究は1件とします。
ただし、連名発表者には件数の制限を設けません。 - ③連番発表も受け付けますが、各発表ごとに完結した内容になっている必要があります。
- ④「発表論文集への論文掲載」「参加費納入」「発表資料の提示
」「責任時間の在席」の
4要件を全て満たすことによって正式発表とみなします。 - ⑤責任発表者が発表できなくなった場合には、本会事務局(電話番号:03-3368-4607)まで
速やかにご連絡ください。連名発表者が代わりに責任発表者になることができます。
(ただし、上述②の制約があります)。
●発表申込・発表論文原稿・発表資料の締切
発表の申込: 2020年6月30日(火)
申込書にご記入のうえ、下記「お問い合わせ」にあるE-mailアドレス宛お送りください。
「TC・リデザイン学術研究会 2020 研究発表 申込書」(PDF)
発表論文原稿の提出:8月31日(月)
発表資料の提出:9月25日(金)
●お問い合わせ
本研究会への発表申込・参加等に関するご質問は、以下までお願いします。
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会内 学術研究産学協同委員会
E-mail: tc-redesign@jtca.org
TEL: 03-3368-4607
●発表論文集の原稿作成と提出に関するお願い
【 テンプレート 】
1.原稿は、テンプレートファイル(Wordファイル)を使用し、作成してください(テンプレート
は、応募時にお渡しします)。使用言語(日本語、英語)ごとにテンプレートを作成して
いますのでご利用ください。
2.テンプレートファイルのページレイアウトやフォントサイズは変更しないでください。
3.テンプレート・本文内の見出しは、参考例です。
適宜、発表者が専攻する研究領域の発表形式に変更してください。
【 用紙とページ数 】
原稿は、1発表につき、A4サイズ・2ページです。2ページを超過した原稿は受理できません。
【 文字入力 】
1.文字フォントは次の通りです。
日本語:本文はMS明朝、見出しはMSゴシック
英語 :本文はCalibri Light, 見出しはCalibri
2.日本語の場合、句読点は、カンマ(,)とマル(。)で統一してください。
3.日本語の場合、文字化けを避けるため、以下は全て全角文字を使用してください。
カタカナ、カンマ(,)、マル(。)( )「」””などの記号、ギリシャ文字
4.環境依存文字(①,(株)など)や外字は使用しないでください。
【 図と表 】
図や表は、文字が小さすぎないサイズとし、かつ鮮明なものにしてください。
【 提出方法 】
提出締め切り日までに、完成原稿のWordファイルとPDF変換したファイルを下記まで、
メール添付にて送信してください。
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会内 学術研究産学協同委員会
E-mail: tc-redesign@jtca.org
第1回学術研究会について(2019年)
2019年10月10日(木)、京都リサーチパークのイノベーションルームにて、第1回テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会を開催した。研究発表者からは、医療現場での考察、認知心理学からの発表等があり、発表後には聴講者含む全員による質疑応答及び情報交換が行われた。
当日の研究発表者及びその内容・プログラムは以下のとおり。
発表者 | 所属 | 論文タイトル | |
藤井 清孝 | 神戸市立西神戸医療センター | 輸液ポンプにおける事故/ヒヤリ・ハット防止に向けた取り組みの有効性に関する文献的検討 | *1 |
篠原 智誉 | 三菱京都病院臨床工学科 | 医療現場で使用される輸液ポンプの安全対策 〜取り組み状況と情報共有の実例および展望〜 | |
小山 和彦 | 近畿大学奈良病院 | 輸液ポンプの設定間違いの分析 | |
黒田 聡 | 大阪大学COデザインセンター | 医療現場における情報提供とそのエビデンスのあり方の見直しに関する研究 | |
吉川 典子 | 特定非営利活動法人 医工連携推進機構 医工連携コーディネータ協議会 | 人口減の時代に、医療と向き合う要点の調査研究 正しく使うための工夫は何か | |
岸 学 | 東京学芸大学教育学部 | 混成型テキストを読解するときの影響要因について | |
中村 光伴 | 熊本学園大学社会福祉学部 | 混成型テキストの読解について ~児童と成人の読解の違い~ |
*1 お知らせ
本発表は、著者都合により取り消しになった。
(岸 学 TCリデザイン学術研究会運営代表 / 島田 能里子 研究会事務局)
2019年10月10日
<参考>
●当日発表のポスター例(敬称略)
●「発表論文集」より抜粋(敬称略)
発表論文集は国会図書館に蔵書としてあります。
ライブラリーとして収蔵ご希望の場合は、以下までご連絡お願いします。
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会内 学術研究産学協同委員会
E-mail: tc-redesign@jtca.org
●当日の様子
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内規
テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会規約
第1条(名称)
本会は、テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会と称する。
第2条(目的)
本会は、テクニカルコミュニケーション(以下TC)の学術的研究を推進するため、研究者間の相互研鑽、交流の促進、
新たな研究領域の取り込みにより、TC全体の向上を目指す。
第3条(活動)
本会は上記の目的を達成するために、次の活動を行う。
研究会の開催
他の研究団体との連携、協力
その他、本会の目的を達成するために必要な活動の実施
第4条(構成員)
本会は、研究発表者及び連名発表者を以て会員とする。
第5条(主査)
本会に以下2名の主査を置く。
岸 学 (テクニカルコミュニケーター協会理事、東京学芸大学 名誉教授)
黒田 聡(テクニカルコミュニケーター協会評議員、大阪大学COデザインセンター招聘准教授)
第6条(事務局)
本会事務局は、学術研究産学協同委員会とする。
第7条(規約の改正)
規約の改正は主査により実施することができる。
以上